自分を大事にする人がうまくいく
~スタンフォードの最新「成功学」講義
エマ セッパラ (著), 高橋 佳奈子 (その他)
出版社: 大和書房
発行日:2017/4/16
著者:セッパラ,エマは、フランス、パリ出身。
著者は、イェール大学卒業後、
コロンビア大学で修士号、スタンフォード大学で博士号を取得。
自分を大事にする人がうまくいく
<成功についての思い込みの間違った概念>
もし、以下のようなことが成功理論だと思うなら、古い成功理論に支配されてしまっているかもしれない。
- 絶えず何かを成し遂げることが重要。
- ストレスなくして成功はない
- 何がなんでも頑張り通さなければならない
- 特定の分野に注力すること
- 力からのかぎりを尽くすこと
- 一番を目指すこと
これらは古い成功理論。
成功に関するこうした概念は一般社会の通念とされていて、
小学校時代に頭に植え付けられてしまう。しかし、広く普及している成功の概念は、しごくまっとうなように思われるものの、
実際には信じがたいほどまちがっている。このやり方で成功をおさめた人々は、大きな代償を払ってきたのだ。
「自分を大事にする人がうまくいく」では、幸福感という部分に重点を置いている。
幸福が成功に関係し、感情の状態も重要。
「自分を大事にする人がうまくいく」では、
幸せと成功を同時に手に入れる方法を紹介し、章ごとに説明している。
第1章 未来を追い求めるのをやめるー生産性を「あげよう」とすると成功の機会が減る
第2章 「やりすぎ」からの脱却ー生まれ持つ回復力を鍛える
第3章 エネルギーをコントロールするー「冷静でいること」の隠れた利点
第4章 「何もしない時間」を増やすー創造性の秘訣
第5章 自分との付き合い方を変えるー「厳しい自己批判」の危険性
第6章 思いやりの力を理解するー「自己中心的な考え」が裏目に出るのはなぜか?
勘のいい方は、この見出しだけ見ても、何となく理解できるかも知れない。
今まで言われてきた成功理論はあるが、本書は、その成功理論とは違う。
例えば、今までの理論はこうだ。
・野心的でなければいけない
・持てるかぎりの精神力で仕事をすること
・特定の分野だけを突き止め専門家になる
・一番を目指すこと など
このような成功理論は、よく聞いてきたかも知れない。
しかし、
この本に書かれているのは、それではなく逆だ。
幸せと成功を手に入れる方法につながる、「幸福」と「成功」の関係。
回復力や想像力やマインドフルネスや共感などの心理学や、組織行動額や神経科学の分野における最新の発見を引用し、成功のカギとなる幸せと満足を手に入れるための6つの方法が書かれている。
成功にストレスはつきものなのか?
「ストレスなくして成功はない」
このような考えは多いかも知れない。
しかし、
科学的にはこのようになっている。
ストレスにさらされて、駆り立てられるように働くことが成功の秘訣という考え方は広く受け入れられているが、長い目で見れば裏目に出ることが科学的に証明されている。長期の継続的なストレスは、成功をさまたげる一番の敵である。
精力を失わせ、仕事上もっとも必要な技術を劣化させてしまう。
自分を大事にする人がうまくいく P68
特に、慢性的なストレスには注意が必要。
ストレスには波及効果があり、周りの人のストレスも高めてしまうから。
ストレスは、成功をさまたげる一番の敵だから、成功にストレスはつきものではない。
「自分を大事にする人がうまくいく」を読んだ感想
多くの人は自分はナルシストではないと思っているが、その数は増え続けているとトウェンギは警鐘を鳴らしている。
大学生におけるナルシストの数は1987年から増加の一途をたどり、
現在は65%の学生が前の世代の学生に比べてより高いナルシシズムの度合いを示しているそうだ。
ナルシズムは成功の手助けになるようにも思われるが、そうではない。
自己中心的な考えは裏目に出る
この部分にハッとさせられた。
多くの人が、自分はナルシストではないと思っているが、ナルシストかどうかは、自分自身を冷静に見つめないと気づきにくい部分。
日常では、自分のことは自分ではなかなか分からない。
自分自身で意識しないと見えてこない部分だ。
「まずは、冷静に自分自身を見つめ直すことが重要。」
自分がいつ不安や動揺にとらわれるか?
しっかり自分を観察出来れば、精神状態もコントロールできる。
自分を観察して、冷静に自分の内面に目を向けることが大事だと感じた。
そうすることが「幸福」と「成功」へとつながっていく。
疲れ果ててしまう前に、スタンフォードの最新「成功学」を学んでみるのもいいかもしれない。
⇒ 自分を大事にする人がうまくいく~スタンフォードの最新「成功学」講義