身長178cm、
サッカー選手としてはフィジカルに恵まれた方ではない。
足も速くはなく、身体能力だけで見れば並の選手。
そんなサッカー選手が「遠藤保仁」選手だ。
遠藤選手は、
日本代表として152試合に出場し3度のワールドカップを経験。
日本代表の国際Aマッチ出場数最多記録保持者。
なぜ遠藤選手がこのような活躍ができているのだろうか?
その理由が
「一瞬で決断できるシンプル思考」に詰め込まれている
遠藤 保仁
出版社: KADOKAWA
発行時:2017年12月22日
単行本: 208ページ
遠藤保仁(えんどう やすひと)
プロサッカー選手
愛称は、ヤット、ヤットさん
誕生日:1980年1月28日
所属チームは、ガンバ大阪
日本代表の国際Aマッチ出場数最多記録保持者
2014年JリーグMVP
ポジションはミッドフィールダー(MF)
ボールキープが巧みでタメをつくることができ、
正確なパスを散らすゲームメーカー。
現在もガンバ大阪で現役選手としてプレーしている。
「一瞬で決断できる」シンプル思考はどんな本?
タイトルにもあるように、
遠藤選手の決断や思考が書かれている。
その遠藤選手が大事にしているのは、
「先を読む力」
フィジカル勝負では分が悪い遠藤選手は、
「世界を舞台に戦うためには頭をうまく使い、
先読みのセンスを発揮するしかなかった」と言っている。
遠藤選手にとって、
先読みする力は世界を舞台に長く活躍するための武器
この本には遠藤選手の思考のプロセスが詰まっており、
「先を読む力」と「思考」が書かれている。
その中でも、
3つの特徴的な内容を紹介する。
<ルーティンは作らない>
ルーティンのリスクについて語っている。
遠藤選手には昔からのルーティンというものがない。
「ルーティンは作らず今この瞬間に専念する」
その理由は、
どんな状況下でもベストのパフォーマンス発揮したいから。
ルーティンにはメリットがあり、
ルーティンを使うことでベストパフォーマンスを発揮できる選手も実際にいる。
本文では、
日本代表のキャプテン長谷部選手を例に挙げている。
ルーティンを持っていれば、
どんな状況でも一定のメンタルで試合に入ることができる。
しかし遠藤選手は、
あえてルーティンを持たない選択をしている。
ルーティンをもってしまうと、
それができなくなった場合は、リスクがあると考えているから。
「ルーティンに縛られてしまうぐらいなら、
ルーティンはあえて持たない」
ルーティンを持たないことで、今を生きることに専念できる。
<イメトレをしない>
遠藤選手はイメトレもしない。
アスリートにはイメージトレーニングを取り入れている人が多い。
イメージを持って本番に望むことで、
失敗を恐れず自信を持ってプレイに集中できるというメリットがある。
しかし、
それにはデメリットも存在する。
そのイメージトレーニング通りの展開にならなかった場合、
不安な気持ちに落ちてしまう可能性がある。
だから、
遠藤選手は試合前何も考えていない。
試合の展開や状況によって戦い方を変えてその場にふさわしい判断をする。
「先入観に反応しない」
そうすることで、
先入観にとらわれない固定観念にとらわれず、
物事をシンプルに見ることができる。
<あきらめる>
いい意味で諦める。
サッカーにおいて諦めるということは重要なスキル。
「あきらめる」というと悪いイメージを持つ人がほとんどだ。
実際、「諦める」という言葉は、自分の希望が叶わず、それへの思いを断ち切るという意味で使われるが、
語源をたどればもともとは明らかにする(つまびらかにする)という意味である。「一瞬で決断できる」シンプル思考 P136
ミスを犯した時は、落ち込んでくよくよするよりも、
ミスが発生した原因を明らかにして、次につなげた方が生産的である。
諦めるは、
そのプロセスを明確にすることでもある。
「あきらめることで、引きずらないし動じない」
このような部分は、
他のアスリートとは異なっている部分で、
遠藤選手の特徴なのではないだろうか?
遠藤選手は、いつも自然体な感じがする。
<最後に>
遠藤選手は、
「先を読むこと」によりチャンスとリスクの両方を見ている
リスクを恐れずに挑戦するそのスタイルが、
遠藤選手の特徴なのではないだろうか?
しかし、
ゲーム中は冷静で「80%くらいの確率で通るという確信がもってなければパスは出さない」という
常に先読みをして複数の選択肢を持っていて、
その場その場のベストな判断を冷静に自分の頭で考えている。
そして、
「結果は誰かのせいにするわけでなく、
自分で考えリスクも受け入れる。」
先を読む力・シンプル思考が遠藤選手の武器なのだと思う。
「遠藤選手がどんな考え方をしているのか?」ということが、
この本に書かれている。
生き方やスタイルは人それぞれだが、
この本の中にある「先を読む力・シンプル思考」が、
これからの先が見えない世の中を生き抜くヒントになるかもしれない。
遠藤選手(ヤットさん)の思考に触れてみてはいかがでしょうか?