「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」のレビュー&内容

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています


著者:小林 昌平
出版社: 文響社
発行日:2018年4月27日
 

その悩み、哲学者がすでに答えを出していますはどんな本?

 
「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」は、
悩みの問いに、哲学を用いて答えるという Q & A 方式で書かれた本。

25個の現代人の悩みに対して、
哲学者の言葉を使って答えを出している。

仕事、自意識・劣等感、人間関、恋愛・結婚、
人、死、病気といった悩みに対して答えているので、
何か当てはまる部分があると思う。
 
このような悩みに回答。

  • 「将来、食べていけるか不安」⇒アリストテレスが答えを出しています。 
  • 「忙しい。時間がない」⇒アンリ・ベルクソンが答えを出しています。  
  • 「お金持ちになりたい」⇒マックス・ウェーバーが答えを出しています。

 
哲学は難しそうなイメージがあるが、
この本では、わかりやすく、噛み砕いて書かれているので理解しやすい。

 
哲学が良く分からないという方でも楽しめる本です。
 

人生で悩んだ時はどうしますか?

 
生きていれば悩みは尽きないもの

「本当はこうしたい」と思っていても、
思うようにできない、思うようにいかない・・・

そんなこともあるのではないでしょうか?
 

悩んだ時は、
・人と話をすることや笑うこと。
・体を動かしてみること。
・自然の中に身をおいたり、深呼吸をしてリラックスすること。 など

いろいろな解決方法があります。

 
悩みは、誰にだってあり、
悩むことは悪いことではないので、
「悩んではいけない」とは思う必要はありません。
 

悩みは、成長のしるしです。
悩んでいる時間は、成長している貴重な時間。
 
そして、
その悩みをすぐ解決できなくてもいいんです。

 
悩みの答えは、
心の奥底にちゃんとあるから。
 
じっくり行きましょう。

 

<言葉の力>

 
悩み解決の過程で、
言葉は大きな力を持っていると思う。
 

言葉は、日常の悩み解決のヒントになる。
 

人との会話の言葉。
名言と呼ばれる言葉。
哲学者の言葉。 など

言葉はたくさんある。

 
なかでも、哲学者の言葉は、
世界・人生などの根本原理を追求する学問。

哲学は、
悩んだ時に、自分と向き合って、
自分の考え方の土台を作るきっかけになる。
 

悩んだり、迷った時に、
哲学に触れてみるのは面白いかも知れない。

 
本書では、25の悩みに、
このような感じで回答している。

 
<悩み>
 
「人生の選択に迫られている」
 

⇒ その悩みにダニエルカールマンが答えを出しています。

 
選択肢が増えると、
判断自体ができなくなるということも証明されている。

選択をすることは難しく、
人はそんなにやすやすと決断できるわけがないし、
時に優柔不断にならざるを得ない時もある。

人生の指針として、
できるだけ自分で選択しないように心がけようと
アドバイスする学者もいるほどです。

「パッと決断するのかっこいいのだ」という空気や社会通念にあらがい、
その場では優柔不断ととらえられたとしても、できない判断を保留すること。

カーネマンは直感で即決する思考だけではなく、熟慮する慎重な思考が大事だと説きました。

A か B かの二者択一を迫られても、
それで納得できないならば、 あきらめずに粘って自分に合う
C や Dといった答えを探すこともまた、悔いなく生きる道ではないでしょうか。

出典明記:その悩み、哲学者がすでに答えを出しています 小林昌平 P224

 
このように、
早い思考と遅い思考の両方とも大事にして、
しっかり答えを出すことも重要。

CやDという答えを探すことは、直感のような早い思考だけでは難しい。

答えは、A か B(2つのみ)ではない ということを考えることで、
違う道も生まれてくると感じた。

捉え方、考え方は重要だ。

 
本書を読んで改めて感じたことは、
思考法(考え方)が大事であるということ。
 

悩んでいる時というのは、
自分の心がブレていたり、分からなくなっていたりする。
 
そんな時に、考えるきっかけをあたえてくれる言葉が、
「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」に詰まっている。
 

本書では、
悩みについて哲学をベースに回答しているので、
その哲学者の考え方を学ぶことができる。

哲学者から入るのではなく、
悩みの内容から、哲学者にたどり着くという流れは面白い。
 
自分の悩みから、
どのような哲学者にたどり着くのか?

解決のヒントや勇気や元気をもらえたり、
その哲学者により興味を持てるかもしれない。
 

本を読んで、哲学者の考えを知ることで、
自分の考えの幅が広がったり、視点が変わり、
答えを出すきっかけになるかもしれない。

本書は、悩みを持っている人の
参考になるのではないかと思います。

⇒ その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

 

<まとめ>

 
この本では、
現代の日常の悩みを解決するヒントが入っている。

悩みが大きいか小さいかは別にして、
生きていれば、悩みの一つや二つは必ず出てくる。

その悩みを解決する時に、
ここに書かれている哲学者の考えを知ることで、
勇気や元気をもらえるかもしれない。
 

「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」は、
自分と向き合うきっかけになる本。
 

一つの問いの答えの部分には、
推薦図書が書いてある。

その本を読んで、
より深く哲学を学んでみるのもいいかもしれない。
 
本書は、
哲学に興味を持てる本になっているので、
お気に入りの哲学者を見つけてみてはいかがでしょうか?
 
⇒ その悩み、哲学者がすでに答えを出しています