リフレクティングの本! 会話についての会話という方法の内容は?読書レビュー

リフレクティング: 会話についての会話という方法


著者:矢原 隆行
出版社:ナカニシヤ出版
発行日:2016年9月15日
 

リフレクティングを知っていますか?
 

リフレクティングは対話を用いた
問題解決方法です。

リフレクティング アプローチとも言われます。
 

リフレクティングは、
ノルウェーの精神科医トム・アンデルセンによって提唱された
家族療法の手法のこと。
 

1980年後半から行われていて、
近年、日本でも聞くようになりました。

 
私も、リフレクティングによる対話を知ったのは、
つい最近の話です。

そのきっかけは、知人が、
問題解決の対話のやり方として紹介していたからです。
 

私は、興味を持ち、
「リフレクティング: 会話についての会話という方法 」を購入しました。
 

本を読んだり、体験して学びが深かったので、
「リフレクティングとはどういうものなのか?」という部分を
シェアしていきたいと思います。
 

リフレクティングって何?

 
最初、リフレクティングと聞いても
ピンときませんでした。
 

リフレクティングという言葉から、
なんとなく「反射」というようなイメージはできましたが、
意味がよく分かりませんでした。
 

ネットで調べると、
反射、オウム返しというような言葉が出てきました。

しかし、
本書を読むと、全く違うものでした。
 

リフレクティングには、
観察すること、会話がポイントになる。
 

また、
リフレクティングを行うにはいくつかのルールもあり、
全く知識がないと、イメージするのが難しいかもしれない。

 
今回読んだリフレクティングの本は、
少し専門的な要素が高く、読んでみたが、
最初の方しか理解できませんでした。
 

特に、応用編は実践したり、
経験していかないと見えてこない部分が多い。
 

ただ、基本の部分や、
流れを知るだけでも学びが深いので、
リフレクティングに興味がある人に役に立ちます。

 
まず、リフレクティングは、
個人に焦点を当てる心理療法ではなく、
家族に焦点を当てる心理療法です。

家族療法というもの。
(チームで対応する)
 

本書では実際のいくつかの事例が紹介されていますので、
詳しい部分は本書を参考にしていただきたいのですが、
リフレクティングは、チーム形式で行います。
 

問題を持っている人と、面接者・関係者がやり取りをして、
その状態をリフレクティングチームで観察。

ただし、
この2つの間には、マジックミラーや仕切りがあり、
両方が意識しない状態にセッティングして観察します。
 

その後リフレクティングチームでセッションを行い、
その内容を問題を持っている人と、面接者・関係者が聞く。
 

それを聞いたのをさらに聞くというような形で、
対話を行っていきます。
 

この方法には、
いろいろなパターンがあるので、
本書で確認したり、実際に行って見たほうが分かりやすいです。

文章で読むだけでは分かりにくかったため、
実際に勉強会で簡易的に行いました。

実際に体験した方が理解しやすかったです。
 

リフレクティング形式で、
実際に行ったことで、自分を客観的に見たり、
そういう意見もあるのか?というような気づきが多かった。
 

私自身は、特にきくことの重要性を感じた。
 

リフレクティングにおいて大事なのは、
はなすこと、きくことを区別すること。
 

ただ、はなす、きくといっても、
通常のはなすと、きくとは違いがある。
 

本書では、基本概念にこのように書かれています。

リフレクティングにおいて、「はなす」ことを外的会話(他者との会話)「きく」ことを内的会話(自分との会話、あるいは、自分の内なる他者との会話)と呼びます。この二つの区別会話の区別はとても大事なことなので是非心に留めておいてください。

リフレクティングはこの2種の会話を丁寧に重ね合わせ、うつし込みながら展開していく(すなわち会話について会話する)ための工夫に満ちた方法なのです。

P24 リフレクティング 矢原隆行

2つの会話
外的会話(他者との会話)
内的会話(自分との会話、あるいは、自分の内なる他者との会話)

この2つを分けて、
「会話について会話する」

2つの会話の中で使う、
言葉も重要になる。
 

本文を読んだだけでは、
分からない部分が多いので、実際に書いてある方法で
数名でテスト的に行ってみるのがいいと思う。
 

やってみることで、普段と違う視点で物事を見る機会になり、
その考え方を取り入れるだけでも、今までと違う発見があると思う。
 

組織やコミニュティーなどに、
取り入れることで、人間関係に変化が出たり、
問題解決につながるかもしれない。
 

リフレクティングに興味がある方、
コミュニケーションを高めたい方は、
このような本で学んでみてはいかがでしょうか?
 
⇒ リフレクティング: 会話についての会話という方法