これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣 FUTURE INTELLIGENCE

FUTURE INTELLIGENCE (フューチャー インテリジェンス)
~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~


著者:スコット・マン , キャロリン・グレゴワール , 野中 香方子 (翻訳)
出版社: 大和書房
発行日:2018年4月21日
単行本(ソフトカバー): 272ページ

 
「FUTURE INTELLIGENCE」は、
2人の著者によって書かれている。

・スコット・マン
 知性と創造性を専門とする心理学者

・キャロリン・グレゴワール  
 心理学精神衛生神経科学を専門とするシニアライター 

 
本書は、
クリエイティブ思考の人々に共通する、傾向と習慣を探ったもの。

クリエイティブ思考と、
人にまつわる疑問についてより深く掘り下げている。
 

FUTURE INTELLIGENCEは、
これからの時代に必要とされる自己理解、自己表現、
クリエイティブ思考を身につけたい方におすすめの一冊。

より深いレベルの思考を学べる内容となっている。

 

FUTURE INTELLIGENCE(フューチャー インテリジェンス)とは?

 
本のタイトルの、
「FUTURE INTELLIGENCE」を翻訳すると
日本語では「未来の知性」という意味。

本書には、
未来の考え方、知性のあり方、
クリエイティブ思考に関して書かれている。
 

サブタイトルは、
「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣となっており、
本書には以下の10の習慣が書かれていた。

  • 第1章 遊び――楽しいことで脳を刺激する
  • 第2章 情熱――何かに夢中になる
  • 第3章 夢想――自分と深くつながる
  • 第4章 孤独――ひとりの時間で考える
  • 第5章 直感――無意識の声を聞く
  • 第6章 好奇心――非日常の体験で限界を広げる
  • 第7章 瞑想――観察し、点と点をつなげる
  • 第8章 繊細――傷つきながら、深く感動する
  • 第9章 逆境――辛い体験で成長する
  • 第10章 異端――アウトサイダーでいる

このような10の習慣を
脳科学と心理学で科学的に解明している。
 

まず、クリエイティブ思考とは何なのでしょう?

 
「クリエイティブ思考」とは、
知識・経験を結びつけ「新しい発想」を生みだすための思考法。
「水平思考」とも言われる。

それと比較して出てくる思考法は
「論理的思考」

「論理的思考」(ロジカルシンキング)は、
問題を要素に分けて整理し、結論を導き出すための思考法。

コミュニケーションでは論理的思考は有利で、
「垂直思考」とも言われる。
 

論理的思考で、
過去~現在という時間軸の中で、
物事を整理することは重要。

しかし、変化激しい時代には、
現在~未来へと拡散するクリエイティブ思考が局面を打開するケースが増える。

AIと共存する未来が間近に迫る中、
AIには苦手な創造性を高めることは重要だと考える。

これから先の未来への考え方として、
クリエイティブ思考が求められる時代へとなっていく。

知性と創造性という部分が、
これからの時代に必要となる。
 

この本では、
「クリエイティブ思考」を身につける習慣について書かれている。

 
今回「FUTURE INTELLIGENCE」を読んで、
印象的だった3つのポイント。

 
<1つ目>
何かに夢中になる。

才能は大事という言葉はよく聞く。

しかし、
天性の才能を持っているというのはほんの一部の人。

だからといって諦めることはない。

才能は一人ひとりが必ず持っている。

 
大事なのは、
どうやってその才能を見つけていくかだ。

本文には、才能に関してこのように書かれている。

才能の有無とは、
「上手くなりたいという強烈な熱意」を持てるかどうかで決まる。

出典明記 FUTURE INTELLIGENCE P38

夢中にななれるものや、なれることを見つける。

才能を気にせずに、
情熱・熱意を持つことがとても重要だ。

 

<2つ目>
散歩の重要性

本書では「ウォーキングは移動式瞑想」と書かれている。

近年、瞑想という言葉はよく聞くようになってきた。

企業も瞑想を取り入れたり、
瞑想に関する本もとても多く見かける。

瞑想は、
ストレス軽減やうつ病の再発率を下げるなどの効果もあり、
精神医学の分野でも注目されている。
 

カントは散歩するのが好きだったし、
チャールズダーウィンも毎日の散歩を大切にしていたことで知られる。

この散歩は単に運動のためではなく、
内省したり、クリエイティブ思考を孵化させたりするためのものでもあった。 

出典明記 FUTURE INTELLIGENCE P66

散歩、瞑想などで、自分と向きあうことは、
クリエイティブ思考と大きく関わる。

科学者もこのように言ってる。

研究が示すのは、
クリエイティブ思考を必要とする問題は、歩いている時、
特に自然の中を歩いてる時に解決されることが多いということだ。

出典明記 FUTURE INTELLIGENCE P67

散歩をする効果は高くて、
ストレスも減り、心が研ぎ澄まされる。

思考やアイディアに心を集中させるにはこのような時間は必要。

 
<3つ目>

感受性を高める

 
感受性とは、
外界の刺激・印象を受けいれる能力、
物を感じとる能力のことを指す。

敏感な人ほどクリエイティブ思考であると言われる。
 

敏感な人は他の人が見逃すような些細なことに気づき、
日々の生活の中に意味を見つけだせる。

感受性は、肯定的な感情から否定的な感情まで、
幅広い感情と結びついている。

そのため、その繊細さに、
しばしば苦しみや痛みにさらされるが、
同時に非常に多くの喜びも味わう。

感受性、繊細な感覚を磨くことは、
クリエイティブ思考に必要になってくる。

 

<まとめ>

FUTURE INTELLIGENCE
~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~は、
このようなクリエイティブ思考に関する習慣が書かれている一冊になっている。

読み終えて感じたことは、
クリエイティブ思考とは特別なものではないということ。

それは、
誰もが生まれたときから持っているもの。

FUTURE INTELLIGENCEには、
そのクリエイティブ思考を磨くための10の方法が書かれている。

上手く身につけていけば、
あなたの大きな武器となるかもしれない。

ただ、
ひとつだけ付け加えるならこうだ。

クリエイティブ思考は誰にでもあると思う。

その思考が向いている、
得意としているかどうかはまた別だ。

あなたがクリエイティブ思考を得意としていたり、
クリエイティブ思考を身につけたいなら本書はオススメ。

そうではないなら、
無理にクリエイティブ思考にこだわりすぎるのは良くない。
 

なぜなら、
人には向き不向きがある。
 

性格や考え方はみんな違うから、
自分が得意とするカタチをベースにした方がいい。

もし、ロジカルシンキングが得意な方は、
ロジカルシンキングをベースに考えた方がいい。

柔軟に使い分けられるのなら、
両方を使うのもアリだと思う。

もちろん、それ以外の思考法を使うのもいい。
 

ただ、
クリエイティブ思考の大きな特徴として、
クリエイティブ思考は、自分と向き合うことが出来る。

本書を読んで、
クリエイティブ思考という考え方、
そのための習慣を知ることは、とても意味があると思う。

 
FUTURE INTELLIGENCEは、
これからの時代に必要とされる自己理解、自己表現、
クリエイティブ思考をより深いレベルの思考を学べる1冊だ。

 
この本に書かれている習慣を取り入れて、
よりクリエイティブ思考を高めて行ってみてはいかがでしょうか ?
 
⇒ FUTURE INTELLIGENCE 未来はこうして考える