アイデアの接着剤は、くまモンを生んだ、水野学さんが2014年4月に書かれた本です。
この本に書かれている内容を、簡単にまとめていきたいと思います。
アイデアの接着剤
著者:水野 学
出版社: 朝日新聞出版
発行日:2014年4月8日
アイデアの接着剤
本のタイトルは、「アイデアの接着剤」
アイディアの接着剤という言葉は、アイディアのかけらとかけらを拾い集め、ぴったりと合うものをくっつけることから来ています。
そのアイデアの「かけら」と「かけら」を拾い集め、ぴったり合う物をくっつけることが水野さんの仕事だと言っています。
アイデアを生むのではなくて、アイデアのかけらとかけらをくっつけること。
アイデアのかけらとかけらをくっつけて、新しいアイデアを作る方法が本書には書かれています。
大事なのは、どのかけらと、どのかけらをくっつけるのかということ。
本書では、くっつけるという言葉を接着剤と表現し、その接着剤をベースにして見出しが分かれています。
「アイデアのかけらとかけらをくっつける」接着剤というのは新しい発想でした。
接着剤その1 コミュニケーション
アイディアに限らず生きていく上で大事なコミュニケーション。
コミュニケーションは、全ての事においてベースになる。
他に興味を持って生きていくということはとても大事なこと。
接着剤その1のコミュニケーションの章ではこのように書かれている。
徹底的に、人について考える。
全てのデザインの先に人がいるのであればこれは大前提です。アイデアの接着剤 水野 学 P37
「いくら考えてもいい案が浮かばない時」は、3つのステップを紹介している。
そのステップとは、疑うこと、知ること、伝えること。
特に、この3ステップの最後にある「伝えること」が重要。
伝えたあとで出てくる、結果や答えが、その後の成長に繋がっていくのではないかと感じた。
フィードバックは大切!
接着剤その2 客観性と主観性のザッピング
客観性とは、だれもがそうだと納得できる、そのものの性質
主観性とは、主観に依存する性質
この2つのように、全く違う視点で物事を見るということはとても大事だと感じた。
・主観で作って客観で見る。
・客観で見て主観で作る。
こうやって物事を、行ったり来たりすることは重要。
ザッピングという言葉があるように、リモコンでチャンネルをポチポチ変えるように、 主観や客観を自由に行き来して見るのは発見がある。
また、それ以外のことでもいろんな側面で見たり考えたり、何かに縛られたり囚われたりせずに自由に、考えを頭の中で行き来することも心掛けていきたい。
接着剤その3 大義もって仕事をする
ここで言う「大義」とは何なんだろうか。
この本では、大義についてこのように書かれている。
大義とは、仕事と人生の森の中で、
道に迷った時に見える遠い星。
その光で、行くべき道を教えてくれる星。
アイデアの接着剤 水野 学 P85
そう!この章では目標に向かって進むことを伝えている。
目的をしっかり考えることで、その目的地に進むための地図を手に入れることができる。
まずは目的地をしっかりと見て逆算して地図を描いていくことが大切。
本当ならシンプルに目的という言葉を使えばいいのだが、本書では大義という言葉を使っている。
ここに大きな意味がある。
本書には、爆発的に売れても人気が出ても、結果として人類のために影響を及ぼさないものは失敗だと感じていると書かれている。
大義は、ただの目的ではなくてもっともっと大きなもの。
本質的なものに向かっていく、気持ちが必要だと感じた。
接着剤その4 知識+知識のイノベーション
イノベーションはどうしたら起こるのだろうか?
ここで書かれてるように、知識と知識の結合がイノベーションへとつながる。
ひらめくのではなく、見つけ出す。
見つけ出したアイデアのかけらとかけらを接着してイノベーションとする。
アイデアの接着剤 水野 学 P115
こうあるように、普段からアイデアのかけらをたくさん集めておくことが必要だと思う。
アイディアのかけらを集めるためにはどうしたらいいのだろうか?
アイディアのかけらを集めるには、色々なものを見て、いろいろなものに触れてたくさん体験をする。
そして、それをしっかりと蓄積していくことが大事。
普段の経験が非常に大事だと思うし、やはり接着剤その1であったように、人とのコミュニケーションがとても重要な役割を果たすのではないかと思う。
接着剤その5 洞察力を磨けば切り口が変わる
この章で大事なのは「なぜ?」「どうして?」と問うこと。
そういえば、先日読んだ生産性を上げる本にも「なぜ?」と問うことの大切さがしきりに書かれていた。
なぜ?なぜ?なぜ?と問いかけることで見えてくることがある、
本書では、「なぜ?」と問うことが仮設を作る出発点になり、それがアイデアのかけらをより多く集めるためには欠かせないと書かれている。
普段からの自分への質問を行い、観察力を上げていくのはとても大切なことだと思う。
接着剤その6 インプットの質を高める
本書では、インプットのことをくっつけるものと表現している。
アイディアにはくっつけるものが必要。
だから、インプットをする必要がある。
そのインプットに関しても、ただ情報を増やすことではなくて、経験と混ぜ合わせて自分の知識にすることが大事。
それがインプットの質にも繋がっていく。
日々、自分の知識を増やしていくことを意識していくことが大事だと感じた。
接着剤その7 時代の「シズル」を嗅ぎ分ける
シズルとは、 Webマーケティングの用語。
消費者の感覚を刺激して、食欲や購買意欲に変える手法のこと。
ヒットする上で、しずるの力も必要になってくる。
本書ではヒットの公式としてこのように書かれていた。
商品力+しずるの力×時代性=ヒットの公式
アイデアの接着剤 水野 学 P200
商品に無理をさせないしずる感が必要。
最後にまとめ
本書を読んで感じたこと。
それは、「アイデアの接着剤」に書かれていることは普遍的なことだ。ということ
また、本質をついた内容になっている。
現に、この本のベースとなる本は2010年に書かれ、文庫本とした2014年に発売されている。
期間が経っているが、この本の考え方は、今もなお通用する。
それどころか現在、特に必要とされる部分になっている。
人との関係性であったり、考え方であったり、行動力であったり、アイディアだけに限らず、頭を使って物事をやっていく上で、非常に大切なことばかり。
本書に書かれている内容を実践していくことで、アイデアだけでなく生産性も向上すると思う。
特に、「知識に経験を加えて自分のものにする」ことが一番大事なことだと思うし、今後、変化していく時代の価値観によりマッチしてくるだろう。
様々な組み合わせを見つけていきたいと思うと同時に、アイデアだけではなく、人と人が出会ってそこから新しいものが生まれてくるのだと思った。
発想のヒントやアイディア、イノベーションについて考える機会がもらえた、「アイデアの接着剤」に感謝しています。
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